親の愛情は子供を安定させる力があることを目の当たりにした話【教育】

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ボクが一番最初に担任をもったときに、学校で有名な落ち着かない子供(A君)がいました。彼は授業中も寝そべってしまったり、フラフラとどこかへ出かけてしまったりするようなことがよくありました。

 

そんな彼に対して、ボクは困り果てました。何しろ担任も始めてだったし、何をして良いかわからなかったのです。

 

で、話を聞いてみると、前の担任の先生に体罰をされたと言ってきたのです。それがきっかけで落ち着かなくなったと聞きました。ボクは色々話をじっくりと聞きました。そして、その先生の代わりに

 

「大人であるボクたちが君を傷つけてしまったんだね、悪かったね。」

 

と謝りました。彼はボクの目を見て話を聞いてくれました。そして話は続き、お母さんに甘えられてないと言ったのです。詳しく聞くと、お母さんは仕事で忙しく自分に構ってくれなくて寂しいと訴えてきたのです。

 

それを聞いてボクは夕方その子のお母さんに電話しました。

 

「お子さんすっごく学校で頑張ってます!褒めてあげてください。」

 

と伝えました。

 

翌日少し落ち着いた様子のA君がいました。ボクは話を聞くとお母さんに凄く褒められて嬉しかったとのこと。

 

それからほぼ毎日A君の頑張った様子を連絡帳や電話でお母さんに伝えました。そしてお母さんに褒めてあげてくださいとお願いもしました。

そしたらどんどんA君は落ち着いていったのです。最終的には団体行動が出来るようになってきたのです。驚いたボクはお母さんに詳しく話を聞くと、

毎朝毎晩A君を抱きしめてありがとう、頑張ったねと伝えているとのこと。

 

ボクは思いました。母親の愛情、温もりは子供の頑張る気力の基盤を作るんだと。ボクは彼の日々頑張る姿を見てとても嬉しく思いました。

 

 

2年後

 

卒業式当日

A君は卒業式証書を手にしてボクに駆け寄り言いました。

「こーじ先生のこと、一生忘れません。ありがとうございました。」

と。A君の目にもボクの目にも涙が溢れました。